『Oasis』にて――――
はじめに一言。 BVEはもはや『中学生新規参入で全ての機能を使いこなすことはまず無理』だ。 |
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えっ、どういうこと? | ||
BVE2は機能が限られていた。 高等数学がゼロの頭でも作れる。 だが、民鉄を作ろうとしたら「民鉄に似ているJR線」が出来る仕様だった。 ”はじめの一歩が京成”のBVE5が壁をぶち破った。 自由度が上がり・・・・・・・・それと引き換えに様々な災いが起こり、新規参入が困難になった。 |
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パンドラの箱みたいだね。 | ||
パンドラの箱が開いてしまっても、時計の針を戻すことはできない。 BVEは今や、別のフリーソフトで言えば、3DCGソフトの「Blender」みたいなものだ。 クリエイターが一作完成させるまでのシナリオも、BlenderとBVEは似たようなものだと思うよ。 「やりたいことだけやって一作仕上げる」 |
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・・・確かに、そう言われたら簡単そうに聞こえるね。 |
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評論するなら小学生でもできる。 逆に、評論されるものを作るのは、専門性の高い分野だと、人によっては一生できないかもしれない。 だから、これが一番大事なんだ。『やりたいことと、できることを、マッチングする』 |
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急に話が重たくなったね・・・。 例えば「自分も京津線作ってみたい」とか言ったらどうする? |
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やめとけ。ヤケドしたくなかったら。 | ||
ええっ?!身近だし、トンでもなスピードで走ったりしないのに、「やめとけ」なの!? | ||
ぶっちゃけ、BVEの自由度が上がったと言っても、根本部分の発想は変わっていない。 BVEは、先に線路があって、後からホームとか柵とか沿線のビルとかを付けていくようにできている。JRの発想なんだよ。 京津線は逆だ。先に街があって、街の中の通れるところに線路を通している。 真逆の発想でコトを進めるのはどれだけ大変かわかるだろうか? |
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・・・あまりよくわかんないっす。 | ||
例えば、マリアは「豆藤さんのお弁当」が好きだ。これは、分かるな? | ||
水が上から下に流れるように当然だね。 | ||
それじゃあ、逆に『マリアが好きなものは何だ?』 | ||
え?「豆藤さんのお弁当」じゃないの? | ||
マリアはショートケーキも好きだろ。 | ||
まあ、そうだけど・・・ | ||
「ショートケーキは豆藤さんのお弁当」と言えるか? | ||
・・・言えないね。 | ||
それじゃあもう一度。『マリアが好きなものは何だ?』 | ||
・・・ひとつ屋根の下で暮らしててもうまく言えないね。 | ||
真逆の発想でコトを進めるのはどれだけ大変か、そろそろわかっただろうか? | ||
骨が1000本くらい折れそうだね・・・ | ||
それでも挑戦し、見事成し遂げたら、敬意に値するものだ。 同じ「産みの苦しみ」でも並大抵のものとは違う。 ・・・しかし、人生は有限。「やりたいこと」と「できること」は違う。 |
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「やりたいこと」をはっきりさせようとしたら、「できない」方向に流れてってないかな、これ? | ||
それは「できること」に目を向けていないからだ。 | ||
「できること」って、どんなことがあるかな・・・? | ||
もう一度言うが、BVEはJRの発想だ。 ならば、JRなら比較的BVEで作りやすいんじゃないか? |
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・・・そうかもしれない。 | ||
身近にあるJR、何がある? | ||
『琵琶湖線』があるね。 遠くに行くときしか乗らないけど・・・ |
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作ってみたくないか? | ||
・・・ちょっとくらいなら。 | ||
それで十分だ。できそうじゃないか? | ||
なんだかできそうな気がする! | ||
実際はそんな楽じゃないけどな。 だが、そのハート・・・ロウソクみたいなイメージするとわかりやすいかもしれないが、それが燃え尽きるより先に満足したら、君は賭けに勝ったことになる。 |
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これって、賭けなんだ? | ||
そう。自分の可能性との賭けだ。『やりたいことと、できることの、マッチング』は百発百中じゃない。 それができるようなら、もうこの世にいないんじゃないかな、と私は思うぞ。 |
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・・・やってみるよ。 | ||
よく言った。 ・・・さて、どこから手をつける? |
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まずは大津駅を建てて・・・ | ||
多分それ、一生完成しないパターンだ。 | ||
うおっ?!マジか・・・ | ||
もう一度、前回の言葉を思い出してみよう。 組み立ては、『絵描き』の応用や! |
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参考になるかな、と思って「お絵描きの教科書」持ってきてみたよ。 | ||
ナイスフォローだ!サンキュー! | ||
えーと、プロセスは・・・ 1.アタリをとる 2.パーツの位置を決める 3.デザインを詰める 4.線を仕上げる 5.塗りこむ |
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「アタリをとる」は「どこからどこまで作るか」決めることにあたるな。 どうしようか? |
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夢はでっかく、長浜から網干! | ||
多分それ、一生完成しないパターンだ。何キロ何駅あると思ってるんだ。 | ||
ぶはっ。 そういえば、そもそも琵琶湖線の外まで出ちゃってたな。 じゃあ、米原から京都は? |
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米原から京都の運賃はいくらかな? | ||
ええと、・・・ 1,140円だね。 |
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完成までに何十回も乗るかもしれない。 いくらかかるだろうか?お小遣いで足りるのか? |
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・・・いつもは姉さんに落ちてるカミナリがこっちに落ちてくることになるね。 | ||
どこから落ちてくるかわかんないからよけられないわよ・・・ | ||
せいぜい草津から京都くらいが限界かな。 | ||
なかなかいい線いってるね。 次に「パーツの位置を決める」・・・って、これBVEでも同じ文言使えそうだな。 できそうか? |
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草津から京都は複々線だ、ってくらいならわかるよ。 | ||
速度制限は? | ||
ずっと130キロで走ってるんじゃないの? | ||
ホントにそうだったら誰も苦労しないぞ。 | ||
むむむ・・・ | ||
そろそろ、素材を集める話をしないといけないようだな。 | ||
素材? | ||
どこぞの「雲の王国」やあらへんねんから、テキトーにちぎってコネコネするだけじゃ完成せんっちゅうに。 | ||
(ちぎってコネコネ・・・契約して他力本願寺・・・) | ||
今、すっごく邪悪な気配を感じたんだが。 | ||
悪霊退散! | ||
ナイスフォローだ!サンキュー! | ||
で、素材って・・・? | ||
一言で「素材」とは言うものの、実はものすごくいろいろある。
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いろいろって? | ||
線形情報から、構造物の寸法やら、テクスチャやら、音やら、・・・ | ||
す、すげえ、わけわからん単語がいっぱいだ・・・ | ||
キリがないから、目の前の課題「パーツの位置を決める」だけに絞るぞ。 | ||
「パーツの位置を決める」ために必要な素材? | ||
そう。 もっぺん言うが、BVEは、先に線路があって、後からホームとか柵とか沿線のビルとかを付けていくようにできている。 ということは・・・ |
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ということは? | ||
線形の数字だけ拾え。これに尽きる。 | ||
線形の数字? | ||
カーブの半径、開始位置、終了位置、カント、緩和曲線の長さ、勾配、分岐器の位置・・・ 『線形の数字』だけでも拾う数字は数多くある。 |
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どれくらいだろう? | ||
『自分が乗ってる電車が走る線路』だけ、今からカーブの半径挙げてみるぞ。 | ||
ゴクリ。 | ||
-1400、-2000、1600、1000、3000、-6000、6000、6000、-6000、1400、800、-3000、1300、900、600、800、1000、-2400、2400、3000、-1200、-1600、-1000、-800、3000、-800、-600、-700、800、2000、950、-2000、3000、-2000、2000、-600、600、2000、1500、-3000、2000、1500、-2000、-400、373、500 だ。 | ||
まるでお経かスワヒリ語だね・・・ | ||
よく覚えとけよ。この世は数字だ。数字がすべてだ。人を信じるな、数字だけを信じろ。数字だけは裏切らない。数字だけが世界を動かす。数字だけが・・・・・・ | ||
変なスイッチ入っちゃったね。悪霊退散! | ||
ナイスフォローだ!サンキュー! | ||
ところで、カーブの半径って、何見たらわかるかな? | ||
大したことではない。標識が立っている。 | ||
まじで?!どんなの? | ||
これは、どこかのすごく大きな駅の近くで列車の先頭から撮った写真だ。 |
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一見すると何の変哲もないけれど・・・ | ||
拡大。赤い丸が標識だ。 |
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ええっ、ここからどうやって半径わかるの? | ||
わからん。 | ||
ええええっ!? | ||
・・・正確に言うと「写真から数字を読み取るのは困難」ということだ。 | ||
それじゃあ、どうやって・・・ | ||
肉眼で読んで、手帳に写すのだ。 | ||
そんなことできるかな・・・? | ||
慣れれば少しずつ見えてくる。 「完成までに何十回も乗るかもしれない」と言った意味、少しは分かってくれただろうか? |
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う、うん・・・何十回で済んだらいいけど・・・ | ||
それと、自分のところ以外の線路にも標識は立っている。 最終的には、線路ごとに整理が必要だ。 ・・・さて、話も長くなってきた。数字の拾い方だけしゃべったから、つづきはまた今度だ。 |
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ありがとうございます。 お茶のおかわり、持ってきますね。 |