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ストーリー 序章

マリア。君は人々を幸せにできる。

私はそう信じているよ。

春風恵(母)

春風マリア
(高校2年生)

その時が来たら、がんばることにするわ。

マリアの家庭では「一回りしたら一人旅する」という掟があった。

これは、マリアが一人旅から無事に帰ってきた日の親子の会話であった。

 

生まれてこの方、マリアは世間体を気にせず、自分の好きなように生きてきた。

 

何かを言い出したら、母である恵の言うことも聞かない。そういうものだと理解している恵は、成り行きに任せた。

「学校に行きたくない」と言って、本当に学校に行かなくなったことがあった。

自由にやりたいことをやり、満足した時、町内のおばあちゃんからこう言われた。

「おもちゃもお金もなくなったらそれでおしまい。だけど知識は何があっても一生残る。一生でものを考えてごらん。大事なものは何だろうね?」

「自由」を知ったマリアは、その次に「普通とは何か」に興味を持ち、学校に行くようになった。

まだ答えが出ないから、学校に通い続けている。

 

何かに興味を持ったら、自分でいろいろ調べて計画を立て、やってみる。

知る人ぞ知るこの街の名店で彼女の知らないところは無い。

友達とのピクニックを仕切ることもあった。昼寝も人一倍多かった。

 

純真なマリアはのところには、自然と人が集まった。

それでも「自分の好きなようにする」ところは変わらなかった。

 

ーー20XX年、びわ湖・大津 海のものとも山のものともつかぬこの街で、幕は上がった。

浜大津では多くの電車、多くの車が行き交い、そしてまた、人も行き交っていたーー

春風マリア
(高校2年生)

ポカポカおひさま、

サラサラうみかぜ、

今日もとっても素敵な日だわ♪

一人で散歩をしているマリア。

びわ湖丸ノ内高校に通う2年生で、電車をこよなく愛する。

京都行きの線路沿いに住んでおり、浜大津がお気に入りスポット。

説明するまでもないかもしれないが、天然でのんびり屋さんだ。

見える人には、彼女の周囲だけお花畑が咲き誇っているのが見えるだろう。

彼女の場合、定期券は近江神宮に参拝してから近江神宮前駅で更新する。市民センターや商店街は家から歩いて行ける。

浜大津の改札からびわ湖を背にして歩く頻度は決して高くないが、足取りは自然に山側へ向いていた。

あら?

なんだか今日は賑やかね。どうしたのかしら?

駅の一角に、何でも屋さんのようなお店(?)を見つけた彼女。

 

えっと・・・『Oasis』(オアシス)・・・

 

あら、なんて素敵なお店なんでしょう♪

そしてこんなところに素敵なご本があるわ。

ちょっと立ち読、もとい、お勉強していきましょう。

『Oasis』には市民が持ち寄って集めた本の”プチ図書館”コーナーがあった。

 

~2時間経過~

 

お嬢ちゃん。
な、なんでしょう、ナンパなら防犯ブザー鳴らしますよ

その歳の差でナンパはないだろう。

その制服、びわ湖丸ノ内高校じゃな
ふぇ?そ、そうですが・・・

ならば、ワシの後輩じゃな。

ここに座るがよい。

四宮 誠(まこと)
お店?のオーナー

あ、ありがとうございます・・・

もふもふシートに座らせてもらった。よかったね。

しばらくすると、お客さんがやってきた。

すみませーん、ブレンドコーヒー1杯お願いしまーす

石山 ともか
ベテラン運転士
休憩中

わぁ!このお店、電車の運転士さんも来られるんですね!

私、将来は電車の運転士になりたいんです!

それに、このお店、コーヒーもいただけるのですね!

とっても素敵です!

電車の運転士になりたいとは、また変わった子じゃの。

それはそうとして、お嬢ちゃん。出番じゃぞ

マリア
(受付席)

わわわっ、淹れるの私でしたか!!

『石を投げればびわ湖丸ノ内高校関係者に当たる』と言われるこの街では、”気づいたら道連れ”はよくあることだ。

 

ちなみに、高校でマリアの所属する生物部には「理系文系関係なく生物の研究できるからいいんじゃね」と受け入れられたそうな。

 

この時まだ、マリアは青春の多くをここで過ごし、様々な人に出会い世界へ羽ばたいていくことになることを知らないのであった。

 

なにわづに さくやこのはな ふゆごもり いまをはるべと さくやこのはな 王仁

 

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。